「・・・シスター、いつかあたしも
天使様を見ることができますか？」
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「俺の知ってる天使とやらは、 血に染まった翼で守られている・・・」 「俺があの日、必ず取り戻すと 誓った翼だ」 「その天使の胸には、きっと 大きな絶望の穴が開いています」 「もう二度と、 祝福の微笑を下さることは ありません・・・」 |
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聖グロシァス・シティを蹂躙する、巨大な三ツ首竜＝キングヒュドラス。 重力光線を放射する３つの頭と、翼を模した巨大な鋏を背部に装備した、戦闘用恐獣機 （Terrible-BeastRoid）である。 |
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３本の首の基部はターレットのように回転し、全方向への素早い攻撃が可能。 タナトス伯爵に操られ、重力光線を集中して放つ、必殺のトルネードブレスで、ビル街をなぎ払う。 しかし今回の事件の場合、この強力無比な恐獣機すら何かの囮ではないか という可能性もある。 |
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少年探偵・アルコンのハンドリニアガンにより、中央の首を破壊された。 しかし、バニシングシステムを応用したフォイエリング形成能力を持っているため、どんなに各部を破壊されてもすぐに再生してしまう。 また破損部の修復のみならず、戦況に応じた兵装の交換も可能である。 |
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再生・交換された２番目の頭。 接近戦用に特化され、両頬に岩盤をもかみ砕く第２、第３の顎を持つ。 さらに、フォイエリングを複数展開することで、首の長さをも自在に増減することができる。 額の強化レンズ内に複合センサーを持ち、目標を確実に捕捉してその心臓部を貫く。 |
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少年探偵・アルコン。本名、アルコン・Ｔ・バレンタイン。 名探偵であった父の遺志を継ぎ、聖グロシァス・シティで「バレンタイン探偵事務所」を開いている。１８歳。 彼の心の奥底に隠された傷を知るものは少ない。 両手のグローブに内蔵された小型プレートは、バニシングシステムを応用した転送装置で、音声入力により様々な捜査用具や武器を取り出すことができる。 |
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ヒュドラス事件の鍵を握ると思われる、シスター・ラシャーナ。１７歳。 恐獣大戦によって寂れてしまった教会を、たった一人で守っている。 孤児達からは母のように慕われているが、決して他人に微笑むことはない。 その胸には、大きな絶望の穴が開いているのだ・・・。 |
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ヒュドラスと同時期、街に暗躍する怪盗、ブラッディ・エンジェル。 混乱に乗じて、貴金属や重要機密の盗難を繰り返す。だがそれらは目くらましに過ぎず、本当の目的は、聖グロシァス・シティに眠る六賢者の鍵である。 血のように赤い服と、氷のように青い翼を持っているとされているが、その正体を見たものはいない。 |
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陰に蠢く怪人、タナトス伯爵。 キングヒュドラスを開発し、ブラッディエンジェルを極悪無比な「ある方法」で操り、大いなる遺産の謎の解明と奪取を目論んでいる。 非人道的な性格だが、その科学力・洞察力は計り知れない。 ブラッディエンジェルの「滾る悲しみの仮面」とは対照的な、「冷やかな哀れみの仮面」を付けている。 |
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ミス・ヒナコ。本名、ヒナコ・ブラウン・コバヤシ。２８歳、独身。 アルコンの父の代からの秘書で、彼の家庭教師でもあった。 バレンタイン探偵事務所のきりもりと、アルコンの戦いをサポートし、ブレーダーのメンテナンスも行う。 教育全般はもとより、重火器の扱いと古代文献に精通する。 彼女の出してくれる紅茶は、絶品だそうだ。 |
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ラシャーナを慕う少女、メル。 先の恐獣大戦で両親を亡くし、孤児院に引き取られた。 ラシャーナの語る天使の物語を、純粋に信じている。 キングヒュドラス出現の混乱の中、ブラッディエンジェルを天使だと思って追いかけていくが、ビルの崩落に巻き込まれ・・・。 |
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伝説の聖獣機（Holly-BeastRoid）の１体、ブレーダー。 アルコンを乗せて疾風のように走る脚であり、捜査・追跡に秀でた能力を持つ相棒であり、決して裏切らない友でもある。 その秘められた最大の力は、２体の聖獣機が揃ったとき、初めて発揮される。 |
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もう１体の聖獣機、メイオウ。 かつては、アルコンの父と共に悪と戦った。 しかし恐獣大戦の直前に、彼の死により失われてしまい、現在その行方は定かでない。 聖獣機は、決して挫けぬ正義の魂を持つものをmon ami（自らの半身）として選び、行動を共にする。 そのため、悪に与することはないと思われるのだが・・・。 |
| 聖グロシァス・シティ |
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「聖グロシァスと６人の賢者」によって築かれたという伝説のある街。 巨大な地下迷宮を利用した陽子発電サーキットを持ち、大陸のほぼ全域に電力を供給している。 だが現在は、富裕と貧困、誠実と欺瞞の矛盾を抱え込んだ巨大都市と化しており、戦闘用恐獣機による犯罪も後を絶たない。そのほとんどは、大いなる遺産と六賢者の鍵を巡ってのものである。 また恐獣大戦当時、恐獣機の攻撃で地下発電サーキットが壊滅したにもかかわらず、何故か以前として大陸全土に電力を供給し続けていたことは、何か「遺産」と関わりがあるのかも知れないと囁かれている。 |
| 大いなる遺産 |  |
聖グロシァスが、街に遺したと言われる「何か」。 その存在を初めて世に知らしめた文献の名を取って、「ペジム記の遺産」とも呼ばれる。 しかしペジム記は記述が非常に曖昧なため、至高の財宝であるとか、神秘の最高呪文であるとか、起こりえる未来を記した予知記録であるとか、解釈は人の数だけ存在する。 |
| 六賢者の鍵 | |
「大いなる遺産」の鍵と呼ばれるもの。 グロシァスは、それらを自分の６人の弟子に託したと言われる。 あるものは「砕けぬ剣」、あるものは「気高き翼」、またあるものは「衰えぬ光」であると伝わっているが、 それらを具体的に記述した文献は公開されていない。 ただペジム記によれば、グロシァスは本来それらの鍵を「遺産を閉じる」ために作ったようである。 |
| バニシングシステム |  |
宇宙ひも理論に基づいた、超空間結合回路。 転送元、転送先を常に限定しておかねばならないコントラクトタイプと、その必要のないフォイエ上位理論タイプとがある。 前者は消費電力も少なくて済むため、一般利用、特に医学的利用が進んでいる。 ＭＺユニットは、その最たるものである。 アルコンの手袋もコントラクトタイプで、ハンドリニアガンを転送、単身キングヒュドラスに立ち向かう。 |
| フォイエリング |   |
任意の空間と物質を結合する、論理転送サーキット。 非常に莫大なエネルギーとその空中固定技術を必要とするため、一般的には理論しか知られていない。 しかし、キングヒュドラス級の恐獣機を造れるほどの軍事的技術があれば、実用化は可能である。 キングヒュドラスは、力場のコントロールによりこれを形成し、破損部品を瞬時に交換・修復する。 フォイエリングの外部に見える文字のようなものは、古代ナスタシァ語に則った文法で記述された契約用言語であり、それぞれの文字が、転送対象を特定するための意味を持っている。 いわばURLのようなものである。 ヒュドラスの場合は 「タナトスの壺から、不死の臥龍へ」 と書かれており、伯爵の基地からヒュドラス（の意匠を形成するもの）への転送を契約している、と思われる。 |
| ＭＺユニット | |
医療用接合子（Medical Zygote Unit）の略語。 バニシングシステム（コントラクトタイプ）により、患者の患部を一時的に別空間に転移させ、その間に治療を完了するために開発された。 理論上は、例えば人間の頭部と胴体を切り離したり、心臓と体を切り離したりしても、生き続けさせることができる。 その場合、患部をＭＺユニット内に保管し、胴体の接合部にＭＺリングをはめ込むようになる。 すると、頭部と胴体などが見かけ上離れていても、ＭＺユニットによって空間結合されているため、患者は何ら支障なく活動することができるのである。 ＭＺユニット間とリングの間は、GUQデータ通信によって制御されているが、データ通信の誤用は自分の体を他人が動かしたりする危険を伴ってしまう。 |
| 恐獣大戦 |  |
３年前、大陸北部の山脈地と、南の大洋を渡ってきた数十体の恐獣機によって、聖グロシァス・シティが壊滅的な打撃を受けた事件。 メルは両親を亡くし、アルコンも父を失った。 恐獣機はいずれもペジム記の遺産の解明を狙っていたと思われるが、突如出現した巨大な黄金の天使によって、全て一瞬にして壊滅した。 黄金の影については、ペジム記に「ラムツェル・ノーラ（全てを知る者）」と記述されているが、詳細は不明である。 |
