2010/02/28/
「習字」
うちのマブは、習字教室に通っているだけあって、字は結構上手です。
先日、地元の新聞が開催している習字展で金賞を貰ったとのことで、みんなで見に行ってきました。
まぁ金賞といっても、受賞者が数十名、その上の賞もあと数種類あるんですけどね。
それでも、彼にとってはかなり嬉しかったみたいで、恥ずかしがりながらも写真撮影をして、賞品（ボールペン１個だけど）貰って来ました。
マブが（そして家族が）喜んでいたのには、単に今回受賞できたことが嬉しかっただけではありません。
実は、去年のリベンジができたからなのです。
去年も同様の習字展があったので、マブも（妻にいわれて渋々と）応募しました。
その時からもう教室に通っていたので、さすがに何も習っていない他の子よりは（ひいき目あるとしても）上手のはず、です。
だからマブも私たちも、「まぁ最低でも『銅賞』くらいは貰えるだろうな」と思っていました。
ところが、結果が届いてみると『努力賞』。
つまり全員に出る、応募してくれてありがとう賞、です。
マブは、顔には出さないけど結構ショボくれて、
妻は、アレだけ厳しく言ったのになんでやねん、とむくれています。
それでも、お姉ちゃんも入れてみんなで、展覧会を見に行ってきました。
マブたちの学年のお題は「太平の夢」。お正月にふさわしい、良い言葉ですね。
ずらりと金賞以下、受賞作品が並んでいます。
それを眺めていたお姉ちゃんが言いました。
「身内だから思うのかも知れないけど、ここら辺より、マブの書いたヤツの方が上手いよね？」
私も口にはしませんが、このくらいだったら、銅賞に入っててもおかしくないのになぁ、と思っていました。
妻とマブは、マブの作品を探しています。
「あったよ！」
マブが叫んだので、みんなでそこへ行ってみました。
確かに『努力賞』のコーナーに、マブのが陳列されています。
しかし見れば見るほど、やっぱり、習字を習っている人とそうでない人の差は大きい・・・というか
マブのは、他の『努力賞』のとはちょっと違うように見えました。
「えー？これで『努力賞』っておかしくない？」
妻が不満そうに言います。
「しょうがないよ」
マブは男らしく、でもちょっと寂しそうに答えました。
私も、さっきから何か気になっていた・・・というか、何か違和感を感じていたので、マブの作品をじっと見つめました。
そして、ようやく違和感の正体に気づいたので、みんなに言ってやりました。
「わかったよ、『努力賞』の原因が」
「え？」
「レギュレーション違反だ」
「何言ってるのよ」
妻が詰め寄ります。
「よく見てよ、マブのだけ、
『太平の夢』じゃなくって、『大平の夢』って書いてある」
「たいへいのゆめ」を見るんじゃなくて、「おおひらさんが」夢を見てしまったんですね。
点が付いていなかったために、てんで話にならない、という・・・。
今年賞を貰えたのは、お題が『銀河展望』という、点がなければすぐ気が付くような字ばっかりだったからかも知れません。