2009/6/19/

「リベンジ」



世界に先駆け、日本公開が始まった、映画「トランスフォーマー・リベンジ」。
既に玩具はどしどし発売され、期待をさんざん煽ってくれています。
私もマブも、映画を凄く楽しみにしている口ですが、玩具ももちろん楽しみで、少しずつ買っては
「おお！」「ええ？」
と、驚愕の声を上げています。

今回、ロボットの変形過程も変形後も意表を突いたものが多く、一目見ただけでは、どんな形になるのか分かりづらい連中が揃っています。
そのため、変形の難易度も上がっており、一種パズルのような楽しささえも与えてくれます。

Asc06656 特に、このサイバトロンのリーダー＝オプティマス・プライム（日本名コンボイ）はその最たるもの。
ロボットから大型トレーラーへ変形しますが、その工程の難しさはハンパではありません。
前の映画でも、ほぼ同型のモチーフへの変形を行っていたのですが、過程は全く異なります。
ほとんど同じキャラクターのために、わざわざ全然違う玩具を作るなんて、呆れ感動します。

私は説明書を読みながら遊ぶのが好きなので、今回も、ロボットモードからトレーラーへ、説明書を見ながら変形させていました。
ところが。
何としたことでしょう、とにかく変形が難しく、読みながらですら、何をどうしたらそうなるのか全然分かりません。
そうこうしているうち、夕飯の時間になってしまい、私は変形途中のコンボイをそのままに、ご飯を頂き、（晩酌で酔ってきたせいもあり）取りあえず説明書を片づけて、歯磨きとかしていました。

そして、そろそろ眠くなってきたので、「お休み」と言いに居間へ来ると。
なんと、いつの間にか、オプティマスがきちんとトレーラーになっているではありませんか。

「ふっふーん」

側にはマブが、自慢げな顔をして座っています。

「え？これ、マブが変形させたの？」
「そうだよ」
彼はもう得意満面です。

いかに、雑誌とかで変形前後の形態は知っているとはいえ、マブがこのコンボイに触るのは、今が初めてのはずです。
目を離してから僅か１０分弱、ましてや説明書は見ていないというのに、何とまぁ恐ろしい。
私はちょっと感動して尋ねました。

「どうして？お父さんは、説明書見ながらでも苦労してたのに？」

するとマブは、ニヤっと笑って言いました。

「生まれた時代が違う」

がちょーん。

生まれた時から、変形合体玩具で遊んできた連中には、もう我々では敵わないというのか！
これがニュータイプの台頭、というやつか！（いやそんな大げさな）

私が、ぐわらぐわらぐわきーんという感じの顔をしていると、さらにマブが言いました。

「前は、お父さんの作るプラモとかに全然かなわなかったから、今リベンジしてるんだ」

そうか・・・。
私は、そうとは知らぬうちに、恐ろしい敵を生み出してしまった、そういうことだな？（だからそんな大げさな）


まぁそれはそれとして、映画楽しみだなぁ（立ち直り早っ）。



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2009/6/6/

「宝物」


ある日曜の午後、妻がお風呂掃除をしようとしていました。
するとお姉ちゃんがやって来て、彼女に言いました。

「お母さん、今日はあたしがやるよ」
「どうしたの急に！さては、中間テストの結果が出たのね！」

いきなり酷いこと言うなぁ、お前。
お姉ちゃんはちょっとムッとしながら答えました。

「違うよ。この間の母の日、何にもできなかったから、たまにはお手伝いしようと思って」
「じゃあマブも手伝う」

二人はそれなりに、母の日に何にも手伝いができなかったことを、気にしていたようです。
妻は、マブをぎゅっと抱きしめていいました。

「ありがとう！
　あなた達は、あたしの人生の宝物よ！」

いい言葉ですなぁ。ここで終わっておけば。
止せばいいのに、私はそこで、ふと尋ねました。

「じゃぁ俺は？俺は君の人生の、何？」

すると妻は暫く考え、マブから手を離すと、真っ直ぐ私の目を見ていいました。

「お荷物」
おお、上手いこと言うねー。っておい（笑）。

固まった空気の中、マブがニコニコと尋ねました。
「どういう意味？」

するとお姉ちゃんが慌てて、フォローに入りました。
「ほら、いつも持っていなきゃいけない、大事なものって意味だよ」
「ああ」
マブは納得したように頷きました。

「おとうさん、ほっとくと、どっかに忘れられそうだもんね」
「うん」

子供たちは二人で、お風呂掃除を始めました。
妻はそれを嬉しそうに見ています。

何にも起きない日々、ただ淡々と過ぎる午後。
それでも何だか嬉しいのは何故でしょう。お荷物でも（笑）。


雨の匂いがする夕方、もうすぐ梅雨の季節です。




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