2008/07/19/
「クロスワード」
我が家の愛読書の一つに、「ガンダムエース」という月刊誌があります。
タイトル通り、全てがガンダムに関係した漫画や記事しか載っていないのですが、マブもお姉ちゃんもえらくお気に入りで、毎月私が買ってくるのを楽しみにしています。
先日、お姉ちゃんが私のそばに来て言いました。
「ねぇお父さん、このクロスワードパズル、やってもいい?」
「いいとも。でも多分、難しいぞ」
「大丈夫だって」
今月号の問題はまだ見ていませんが、ガンダムエースにあるくらいですから、クロスワードの問題も答えも、全部ガンダム関係であることは想像に難くありません。
お姉ちゃんは半日ほど取り組んでいましたが、とうとうギブアップして、私のところに持ってきました。
「わかんないところがあるから、教えて」
見ると、だいたい半分くらいはマスが埋まっていますが、さすがにそこら辺から先は難しそうです。
「ちょっと貸しな」
私はお姉ちゃんからガンダムエースを受け取りました。
「なになに・・・」
マスの残っている部分はこうなっています。
『ブ○○ブ○』
「これはあれだな、『ブラウブロ』」
私はどんどん、マスに書き込んでいきます。
「それから・・・ 『ク○○レ』か。
これは多分『クラウレ』ハモンってとこだろ。
あとは・・・ 『○○プ』。
この流れで行けば、『ドップ』かな」
そのうちに、お姉ちゃんがいぶかしげに尋ねました。
「ねぇお父さん」
「何」
「問題、読んでる?」
「いいや」
お姉ちゃんが不審に思ったのも無理はありません。
私は、「マス目だけしか」見ていなかったからです。
だってさぁ、ガンダムの問題で『ブ○○ブ○』ってあれば『ブラウブロ』、
『ク○○レ』ってあれば『クラウレ』ハモンに決まってるじゃないですか(ええっ?(^^;))
仕方なく私は、問題を読みました。
「『シャリア・ブルが搭乗した、威容を誇るM・A』
『ランバ・ラルのパートナーは○○○○・ハモン』
『ホワイトベースを何度も攻撃したジオンの戦闘機』 ・・・
ほら、合ってるじゃん」
そう言うと、隣でのぞき込んでいたマブが感嘆の声を上げました。
「凄い!凄いよとんたん!」
「そうか?このくらい、当たり前のような気がするけどな(我々にとっては)」
「そんなことないよ!ねぇ、お姉ちゃん」
「うーん・・・凄い・・・というか」
「というか?」
「ちょっと呆れた」
な、なんて事でしょう!
よりにもよってうちの娘が、私を尊敬しなくなる日が来ようとは!(えええっ?(^^;))
私は思わず声を上げました。
「大変だよママ!お姉ちゃんがグレちゃったよ!」
すると妻が、ほっとしたように言いました。
「ああ良かった、お姉ちゃんも、やっとコッチ側へ来たのね」
何だよコッチ側って。
もうすぐ梅雨明け、夏も本番です。
2008/07/12/
「プール」
最近また、やたらに仕事が忙しくなってきて、もうがたがたのヘロヘロです。
休日にそれでも何とか起きあがり、ブロックで何か作ろうか、と思っていると、妻に
「そんなところでガチャガチャやってるんだったら、マブを連れてプールにでも行ってきて!」
と言われました。
普通のお父さんだったら
「そんなところでゴロゴロしてるんだったら」
と言われるような場面ですが、ガチャガチャかぁ、そう来たかぁ。
まぁ夏休みも間近、もう暑い盛りですし、プールもまた良いかも知れません。
というわけで、うちの村の村営プールにやってきました。
ここは村民なら使用料が無料、結構綺麗な上にそんなに混んでもいない、絶好のポイントです。
着替えて体操して水を浴びて、さて寝るか(おい)と思っていると、マブが言いました。
「25m、競争しよう!」
ああいいとも。こう見えても私は、小学校時代は平泳ぎの校内学年記録を持っていたんだぞ。
1学年、15人しかいなかったけどな!
「よーい、どん!」
私は軽く流して泳ぎ・・・泳ぎ・・・って、どんどん、マブに離されていきます!
何だと貴様!いつの間に、そんなに素早さのポイントが上がったんだ!
結局、マブに5m以上も差を付けられ、私は完敗しました。
しかし悔しさをおくびにも出さず、
「凄いなぁマブ、速くなったな!」
と誉めてやると、彼はニコニコして「テヘ」と笑いました。
端から見ればきっと、子供に手加減してあげた優しいお父さん、みたいに見えたことでしょう。
しかし私の心は、屈辱感でいっぱいでした。
負けた!小学5年生に負けた!
というか死ぬほど疲れた!(^^;)
「もいっかいやろうよ!」
というマブを、
「いやもう、マブと遊ぶのは大変だから」
と断って、幼児用プールで浮き輪につかって、ぐーたらすることにしました。
ぷーかぷーか浮いていると、世の中の嫌なことや、せちがらい欲は、すべてなくなってしまいそうな気がします。
ああ。たまらんこの気だるさ。
ビール飲みたいなぁ(欲はなくなっていません)。
そうしてのんたらしていると、突然、私の顔にバシャッ!と、水がかかりました。
何だ?と思って起きあがると、なんか知らない男の子が、私に水をかけて遊んでいます。
歳はマブと同じくらいなので、多分マブの友達なのでしょうが、私は全然見覚えがありません。
しかし彼は、まるで昔から知ってる人のように、私目がけて水をかけてきます。
「やったなこのー」
私も(知らない子だけど)水をかけ返します。
「津波怪獣シーゴラスのマネ!」
「キャッキャッ」
(しつこいようだが知らない子は)大喜び。
そのうち、そばにいた女の子(この子も知らん)たちまで加わって、水の掛け合いです。
どうして子供というのは、自分と遊んでくれそうなオトナを見分けることができるのでしょう。
私が怒らないような人間だって、どうしてわかるのでしょう。不思議だなぁ。
そのうち、休憩時間になったので、「またね」と言って、その子たちとは別れました。
すると、私のすぐ後に、マブがショボンと立っています。
「わっ!びっくりした」
何だか彼は、ちょっぴり涙目です。
「どうしたの?」
私が尋ねると、彼は答えました。
「何で、マブとは遊んでくれないの?」
ああああごめんごめん。自分の子供ほっぽらかして、知らないこと遊んでたよあたしゃ。
家に帰って、私が妻に何と叱られたのかは敢えて書きませんが、もういいですよね。
こうしてまた、暑い季節が始まりました。