食玩･ムゲンバインの新たな仲間、ムゲン剣聖獣が発売となりました。 いつものとおり５体合体し、ムゲンアーサーとなります。 大きな剣と胸ライオン、全体のヒーローっぽいイメージもさることながら、組み換え遊びがまた楽しく、私もマブも大のお気に入りです。 今回のアーサーは、シールの紋章が非常に凝っています。 いつもならいろいろとガンダムマーカーなどで塗装するところですが、私の技量でこの紋章を再現するのは無理なので、すっぱりと諦め、単にシールを貼っていくだけにしました。 私がちまちまとシールと貼り付けていると、マブがやって来て、完成を今か今かと待ち望んでいます。 「ねぇまだ？」 「もう少し」 「ねぇまだ？」 「もう少し！」 最近、細かいシールを貼る作業なんかしてないから、結構きついものがあります。

すると、シールを貼る私を見ているのに飽きたのか、マブは箱をひっくり返して、何かを探しています。
「あれ？ガムは？」

このムゲンバインは食玩、いわゆるお菓子のオマケなので、必ずお菓子（このムゲンバインの場合はチューインガム）が付属しています。ボリュームから言ったら、どっちがおまけかわかりませんけどね。
彼は、そのガムを楽しみにしていたのです。

私は、しまったと思いながら答えました。
「･･･食べちゃった」
「誰が」
「お父さんが」

「もういやだ！」
マブは突然キレました。
「マブ、大きくなっても、絶対、お父さんみたいな大人にはならない！」

なんということでしょう。
この、うちのマブが、こんなことを言い出す子になっちゃうなんて！

私は慌てて、彼に尋ねました。
「じゃあ、どんなお父さんになりたいの？」
マブは憤慨して答えました。
「マブは絶対、自分の子供には、ムゲンバインのオマケのガムをあげるような大人になる！」

私はちょっと言葉を失いましたが、一応念を押しました。
「それで、ムゲンバインは自分で作るんだ」
「うん」

マブは、何をいまさら当然のことを、というような口調で答えました。
彼はどうやっても、私のような大人になると思います。