2007/09/21/
「エスカレータ式」
ある日テレビを見ていると、私たちの地方に、エスカレータ式の学校が新設されるというＣＭをやっていました。
そこは中学校からですが、大学まで併設されているので（もちろん試験などはあるのでしょうが）、中・高・大学一環の授業が受けられるようです 。
「ねぇ、ちゅうこういっかんって、ナニ？」
マブが怪訝そうに尋ねます。
「中学から高校に行く時、あんまり勉強しなくてもイイってことよ！」
妻が思いっきり端折って答えました。決してそんなことはないと思うのですが。
中高一貫の皆さんすいません。
しかしマブは、目を輝かせて言いました。
「マブそこにする！」
しかし、彼の行っているところは公立小学校。もしその中学へ行くとすれば、彼の今の友達とは、おそらく別れなければならないことでしょう。
私は、彼の耳元に口を寄せて言いました。
「マブ、でももしあそこへ行くと、ＩくんやＨくんとは、いつもみたいに遊べなくなっちゃうよ？」
「ええっ？」
マブはショックを受けていたようですが、しばらくして、キッと目を上げて言いました。
「でもマブ、あそこがいい！」
その悲壮なまでの顔つきは、自分の道を決意した、男らしさに溢れています。
思わず私たちも、ちょっと感動しました。
その件の学校が、○○女学院でさえなかったらな。
2007/09/01/
「思い出の街」
先日出張があり、懐かしい街に行って来ました。
そこは私が若い頃（○○年前）に住んでいた場所で、最初の勤務地ともなった思い出の街です。
仕事も人間関係も境遇も、それまでチャランポランに生きてきた私には非常に厳しくて、当時は
「今までの人生で、こんな修羅場はなかった」
と思ったものです。
もっとも、楽しいこともいっぱいありましたし、今から考えれば、あの頃だってもっと別のやり方はあったように思います。そのころは見えなかったんですけどね。
もしもあの頃に還って、昔の自分に会えるのなら、こう言ってやりたいところです。
「平気平気！何とかなるって！
それにどうせ、これからもっと大変なこと、いっぱいあるからさぁ！」（おい）
さて、懐かしい街並みをぶらっと歩いてから帰ろうと思っていたところ。
「あれ？覚えてるぞ、ここ」
自然と足が向いた場所には、昔良く通った玩具屋さんがありました。
もちろん様変わりしていますが、ずっと営業していたようで、懐かしい場所にそのまま残っていてくれたのです。
せっかくだからと獣拳武装シリーズのゲキウルフを買い、レジに持っていくと。
お店のおばちゃんが、私を見て
「おや？久しぶりね？」
と言いました。
私が常連だった頃、いつもレジにいた人です。もちろん、それなりにお年を召してはいますが。
もう○○年も経ているのに、私のことを覚えていてくれたのです。
「覚えていてくれましたか」
私が少し照れて言うと、彼女は答えました。
「もちろんよぉ。お得意さんだったし」
私は（そのころも）給料が出るたびに、その店で、ＤＸ奇跡合体のイデオンだとか、
９８０円に値下がりしていたＤＸ超合金ゴッドマーズとか、
売れ残っていた超合金のゴールドライタンとか、良く買っていたものです。
「それに」
おばちゃんは続けました。
「いつも恥ずかしそうに買ってたし」
そうです、今からでは信じがたいことですが、
あの頃の私は、オモチャ買うのは恥ずかしかったのです。
はいそこツッコミ不要。
おばちゃんはいつも笑って応対してくれていましたが、その顔を見るのもなんだか恥ずかしくて、いつも下を向いて買い物していましたっけ。
その後しばらく近況などを話していましたが、私も電車の時間があるので、そろそろ退出しなければなりません。
おばちゃんはにこやかに、あの頃のように私に笑いかけました。
「またね」
「またね」って、なんて素敵な言葉でしょう。
今度いつ、このお店に来る機会があるのかは、私にも分かりません。
もう２度とない可能性の方が高いです。
でも、年を経ても古びない、経ただけ楽しくなる思い出があるのは、良いことですよね。
もしもあの頃に還って、昔の自分に会えるのなら、こう言ってやりたいところです。
「大丈夫。
今は辛いかもしれないけど、きっといつか、良い思い出になる」
ああ、ついでにもう少し付け加えておかないと。
「いいか、ゴールドライタンのパンチは絶対になくすな！
それから、ゴッドマーズが９８０円だったら、もう２、３個買っておけ！
あと、奇跡合体イデオンのイデオンソード、
ＴＶと違う造形だからといって、捨てるなこのバカ！」