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2007/04/29/

「携帯電話」

新年度も始まり、私たちの職場も大わらわです。
どこも似たようなものでしょうが、楽な仕事なんてこの世にはありませんからね。
そんな中、旧友と会う機会があり、飲みながら近況などを話していました。
彼は某企業に勤めていますが、私と彼とで、こんな話をしていました。

彼「うちの営業所に、本社から調査文書が回ってきたんだけどさ」
私「ふむ」

「それが、
　『おのおのの営業所に配備してある、携帯電話の使用状況を調べるから、
　　機種と契約会社と、それから通話の状況を、日を決めて調査して報告しろ』
って言うんだよ」
「・・・『機種と契約会社』って、何？自分の携帯電話のそれを報告しろっていうこと？」
「いや、仕事で配備しているヤツ」
「え？何で、仕事で配備しているものを、本社で把握していないの？」
「みんな、現場に任せっきりだからな。上の人は、俺たちが何をしているのか知らないんだよ、たぶん」
「そりゃまた（お気の毒なことで）・・・」

「まぁそこまでは、百歩譲って良いことにするさ。
　問題はその後で、こう書いてあったんだよ。
　『調査の方法について説明します。
　　販売員には、同封の調査用紙を配布し、調査日にどこからか電話がかかってきたら、
　そのたびに、通話の時間や回数をそこに記録させるように命じて下さい』」

「・・・電話かかってきてる最中に、そんなことしてる余裕があるのか？」
「っていうか」
「ああそうか、わざわざそんなことさせなくても、
　携帯電話なら、通話履歴見れば分かるよな」
「その通り」

「・・・えーっと、つまり、どういうこと？」
「うん、どうもこの文書作った人は、携帯を使ったことないんじゃないかな、と思われるふしがあるわけさ」
「そ、そんなことって・・・あるのか、この時代に？」
「うーむ、いや、分からんけど」
「第一、お前の会社って○○だろ？」
「そう、それが一番引っかかる所なんだよねー。
　何せその文書、一カ所だけだけど、　『形態電話』って書いてあったんだよ」

彼の会社の名誉のために、名前は出しませんが、えーと、何だな。
どこも似たようなものでしょうが、楽な仕事なんてこの世にはないんだね！

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2007/04/15/

「絆」

既に始まって２ヶ月ほど経過した「獣拳戦隊ゲキレンジャー」ですが、これがなかなか面白い。
拳法モチーフの戦隊は「五星戦隊ダイレンジャー」以来ですが、そのアクションは非常に小気味よく、特にオープニングの殺陣は見事の一言。
くるくる跳んで回って蹴りつけて、おそらくワイヤーアクションを使っているのでしょうけれど、
「人間って、こんな凄いことできるんだ！」と、目から鱗が落ちる思いです。

先日の話は、敵の拳法使い・マガとソリサ（ラブラブな恋人同士。もちろんどちらも怪人だけど）のエピソードでした。

マガが「ソリサ！」と呼ぶと、ソリサも「マガ！」と答えてその首に飛びつき、
マガはそのままソリサをくるんと抱え直して、お姫様だっこ。

あんな分厚い着ぐるみを着ているのに、俊敏かつ軽々とソリサを持ち上げる「中の人」って凄いなぁ、とあらためて感心しました。

（写真は、ミニプラ・ゲキトージャ。
こちらも１個３００円の食玩（３体合体）だというのに、自由自在で迫力あるポーズ付けができる傑作です）

さて、先日テレビを見ていると、あるお父さんと息子のドキュメントをやっていました。
息子はサッカー選手を目指しているようで、お父さんはその練習相手として、休みの日にはずっと付き合ってあげている、というような話です。
二人は（何せ親子で息もぴったりだから）、アイコンタクトだけでパス、ドリブル、シュートを回し、それは楽しそうに練習をしていました。
その番組を見ていた妻は、私とマブに言いました。

「見た？あのアイコンタクト。
　父親と息子ってのはね、ああやって、日曜は一緒に運動するものなのよ？
　そうすれば、あんなに絆が深まるものなのよ？」

彼女はおそらく、日曜くらい、二人でどこかへ行って汗を流してこい、と言いたいのでしょう。
しかし残念ながら、私もマブも思いっきりインドア派です。
二人とも、別に運動が嫌いってワケじゃないですが、他にもっと好きなことがいっぱいあるのです。

私は妻に言いました。
「別に無理して外に出なくたって、子供との絆くらいできるはずだろ？」
すると妻は、冷ややかに言い放ちました。
「へー、そうなの。見せてもらいたいものよね」
私は、ピピッとひらめいたことがあったので、
「ああ、いいともさ」
と立ち上がりました。

しかしそうは言ったものの、実は勝算があったわけではありません。
これからやろうとすることについて、マブと特に話題にしたことも、ましてや練習したこともないのです。
もはや一種の賭ですが、私は腹を決めました。
そして、マブに向かって腕を広げ、叫びました。

「ソリサ！」

するとマブは、何にも打ち合わせなどしていないのに、真っ直ぐ私の首に飛びついてきました。

「マガ！」

私はそのまま、彼をくるんと抱え直して、お姫様だっこ。

私たちは得意満面です。
マブは綺麗に回れたことに、私は、何にも言ってないのに、私の意図をマブが即座に汲んでくれたことに。
これが絆というものです。ヒーロー番組は教育番組なのです。

まぁもし問題があるとすれば、
途中から妻は、こっちなんか見ちゃあいねぇ
ということでしたかねー。

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2007/04/07/

「朝」

うちのお姉ちゃんは、朝が弱い人です。ほっておけば、２０時間くらい寝ています。
うら若き中学２年生ともあろうものが、そんなに惰眠をむさぼってどうするのでしょう。
一応、机の上の目覚まし時計はかけていますが、２段ベッドの上に眠っているのに、わざわざ降りて目覚ましを止め、また登って寝ています。
ですから、学校も始まったというのに、こともあろうに毎日、マブに起こされています。

とうとう業を煮やした妻は、こう宣言しました。
「（お姉ちゃんに向かって）
　あなたは必ず、自分で毎日起きること！
　それも、お父さんより早く！
　それができなかった日は、夕飯のお片づけは、あなた一人でやるの！
　わかった？！」
お姉ちゃんは、渋々頷きました。

さて、そう約束した翌日。
私がマブと一緒に起きてくると、やっぱり、お姉ちゃんはまだ寝ていました。
妻はニコニコ笑っています。
万が一、お姉ちゃんが自力で起きてきたら、それはそれで躾になる。
しかし、どうせ自力で起きてこられるわけがないので、自分は夕飯の後片づけは楽ができる。
まさに、一石二鳥の作戦だったわけですから。

そうこうしているうちに、ばたばたとお姉ちゃんが起きてきました。
結局、いつもの時間になっています。
みんながお姉ちゃんを見ると、彼女はジタバタしながら言いました。

「違うよ！寝坊したんじゃないよ！
　目覚まし時計を止めようとしたら、全然止まらなくって、
　泣きそうになっちゃったんだよ！ホントだよ！」

それを見て、マブが言いました。
「泣いてないじゃん」
すると彼女は、さらに地団駄を踏んで言いました。

「だから！そういう夢を見たんだよ！」

やっぱり寝てたのか。

そしてその朝。
私が妻に「行ってきます」と言って、仕事に出ようとしたところ。
その日はまた急激に冷え込み、車のフロントガラスに霜が降りてしまっていました。
これでは危なくて走れません。
仕方がないので、少し暖気をしてから出ることにしましたが、駐車場で待っていても寒いだけなので、いったん自分の部屋に戻り、超合金魂のイデオンで遊び始めました。

すると突然、私の部屋のドアが開き、妻が顔を見せました。
「何してるの？仕事行ったんじゃないの？」

予期していなかった私は、慌てて言いました。
「違うよ！サボってたんじゃないよ！
　車に霜が降りちゃったんで、暖気してたんだよ！ホントだよ！」

すると、私の手の中のイデオンを見て、彼女は言いました。
「・・・あの娘（お姉ちゃん）の、大人の姿か・・・」
そしてバタンと、ドアが閉まりました。

いや、俺はホントだって！一緒にしないで！ねぇってばぁ！

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