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2006/08/26/

「結婚式」

ちょっと前ですが、私の３番目の弟も無事結婚できました。
相手はとっても可愛らしくて気が利く、弟にはあまりに勿体ない（おい）娘さんです。
結婚式の前から、我が家にもよく遊びに来てくれ、パイを焼いたりしてくれていましたので、うちの子供たちも弟夫婦に
「大ちゃん、みかたん（どっちも仮名ですよ。念のため）」と、なついておりました。

結婚式は（さすがに３人目となると、親たちもどうでも良くなってきたらしくって）、弟たちの好きにやらせてくれました。
新婚の二人は、手作りのパンフレットと、参列者全員のそれぞれの名前の入った檜の升（ます）を用意してくれていました。
私たち一家ももちろん全員出席していたので、私と妻とお姉ちゃん、そしてマブの檜の升が揃いました。
家族で名前入りのものを揃えてもらうのって、嬉しいですよね。

さて、結婚式も無事終わり、お客さんもみんな帰り支度。
新婚の二人は、出口で私たちをお見送りしています。
お姉ちゃんが、引出物をまとめながら、出席者の席順が書かれた紙をめくっていると。
「あれ？」
彼女は怪訝そうな声を上げました。
「どうしたの」
私が聞くと、彼女は私たちのテーブルの名札を指して言いました。
「マブの名前、間違ってるよ」
見るとその席順表には、確かに、マブの名前が「舞人（仮名ですよ）」ではなく、「雅人」となっていました。
旋風時財閥の御曹司から、流星塾の出身者になってしまったようなもんですな。
おやおやと思って見直すと、彼の名前の入った升の方も、「雅人」となっています。
誰が間違えたのか知りませんが、パンフレットならいざ知らず、引出物まで間違っているのはちょっとショックですよね。
マブが升なんかを嬉しがるどうかは別問題ですが。

ところが、お姉ちゃんは喜んで言いました。
「マブ、やったね！」
「何言ってるの？アンタは」
妻が不審そうに訪ねると、彼女はニコニコしながら、マブに話しかけました。
「だって、これじゃマブが可哀想だから、これは大ちゃんとみかたんに、ちゃあんと
　慰謝料をもらわないとね！」
「いしゃりょう！いしゃりょう！」
親戚相手に何言い出すんだ。しかし、お姉ちゃんとマブはノリノリです。
「具体的には、プラモのＭＧ（マスターグレード）、ゼータガンダムの新しいヤツなんかが良いよね！」
「ぜーた！ぜーた！」
「大ちゃんと、みかたんに、頼んでこよう！」

そう言うと二人は、退場していくお客さんに挨拶をしている、新婚の夫婦の元へ走っていきました。
その後ろ姿を見ながら、私は思いました。
さすがのみかたんも、タチの悪い家族に引っかかっちゃったと気づくだろうなぁ、と。

「来るべきトコロ」

数日後。
弟とお嫁さんが、うちに遊びに来ました。
うちのダイニングには、大きめの細長い白いクッションがあります。
突然、みかたんは、それを両肩に当てると、私に向かって言いました。

「お兄さん、見てみて」
「何」
「ほらほら、キュベレイ」

私はその時初めて、彼女もまた来るべきトコロに来たのだなぁ、ということがわかりました。

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2006/08/13/

「映画・仮面ライダーカブト（ネタバレはありません）」

マブと二人で、仮面ライダーカブトの映画「GOD SPEED LOVE」を観に行ってきました。
（お姉ちゃんと妻は「ゲド戦記」）

未見の方のためにネタバレはしませんが、ＴＶ本編とは異なる（・・・？）天道君の描かれ方など、面白かったです。
また、カブトの戦闘シーンを印象的なものにしている
「クロックアップ」
（雨の滴が止まって見えるほどの超高速で動き回る、ハイスピードバトル）にも、大きな秘密があり・・・
これ以上は止めておきます。

さて、映画から帰り際、突然マブが言いました。
「とんたん、ライダーの映画（を見に行く観客）って、ちいちゃい子ばっかりだね」
お前も同じくらい、ちいちゃいけどな。
「マブももう少し背が大きくなったら、ライダーの映画見に行くのは止めようかなぁ」

なななななな何てこと言い出すんですか、この子は！
あたしゃ、そんな子に産んだ覚えはないよ！（錯乱気味）

私は大慌てで、それでも一生懸命平静を装って、マブに聞きました。
「背が大きくなったらって、どのくらい？」
マブはのんびりと言いました。
「えーと、くろさきいっせい（黒崎一誠）くらい」

黒崎一誠というのは、今回の映画で、最強のライダー・コーカサスに変身した人です。
演じるのは、Ｋ－１ジャパンＧＰ王者の武蔵、身長は１８５cmです。

結局ずーっと見に行くつもりのようです。

「夏休み」

日付は前後しますが、先日ようやく夏休みが取れたので、みんなで海に行ってきました。
燃えるような砂、潮風の香り、やっぱり夏は良いですな。
特にビールが美味いのがたまらんです。

数日間、もの凄く暑かったせいもあり、海岸は大賑わい。
私の行った方面では、海の家の焼き鳥やかき氷が、午前中で売り切れてしまったほどだそうです。

私たちも海に繰り出し、思い思いにのんびりと遊びました。
その海は遠浅ですが、海辺のすぐ近くまで小魚がおり、シュノーケルなど付けなくても、足下をたくさん泳ぎ回っているのが分かります。
マブはビニールの袋を持ち出して、魚を手づかみにしようと奮闘しています。
しかし、いくら何でも、網もなしで小魚を捕まえられるわけがありません。
彼は悔し紛れに叫びました。

「とんたん！ここの魚、ずるいよ！
　みんなクロックアップするんだよ！」

こうして今年も、夏が過ぎていきました。

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2006/08/05/

「短冊」

こちらでは旧暦で行うので、そろそろ七夕の季節です。
私が帰宅すると、夏休みで暇をもてあましているお姉ちゃんとマブが、一生懸命短冊を作っていました。
もちろん、願い事を書くのです。

「とんたんの分もあるよ！」
とマブが言うので、私も数枚書くことにしました。

そうは言っても、何を書いたらいいのかな。
妻は
『宝くじが当たりますように』
お姉ちゃんは
『聖剣伝説ＤＳを買ってもらえますように』
などと、思い思いのことを書いています。
まぁどうせ、そんなところでしょう。

私もさっそく、１枚書きました。
『早く、超合金魂のイデオンが発売されますように』
よしよし。

私たち３人は、ふと、マブの書いている短冊を同時に見ました。
そこには
『せかいから　はいきガスが　なくなりますように』
と書いてありました。

私たちは無言で、自分の短冊を丸めて、書き直し始めました。　

お姉ちゃんは
『（手術を控えている）おばあちゃんが早く元気になりますように』。
そうそう、いい娘だなぁお前は。やっぱり七夕の短冊はこうだよね。

私がそういうと、妻はなんだかむっとしたようになり
「あたしだって、何にも考えてない訳じゃないんだから」
と言って、なにやら書き始めました。
『宇宙平和』
もうちょっと身近なものにしろよ。

それを見ていたお姉ちゃんは、
「ああ、そういうのでも良いんだ」
と、新しいのを書き始めました。
『みんな仲良くしよう』
「学級目標じゃないんだから」
全員でツッコミます。

妻は
『宝くじが当たるわよ』
「ママ、それお願いじゃないよ」
「宣言してどうするんだ。細木数子さんか」

そんなのを見ていたマブは
「じゃぁマブも、自分のお願い書こうっと」
と言って、
『（ＤＳの）ＭＥＭスーパーマリオブラザーズで、　８面にいけますように』
と書いています。
「ＭＥＭ」って、もしかしたら「ＮＥＷ」って書きたかったのかな。

混迷の様相を呈してきた短冊書き。
そろそろ私も、本命のお願いを書かねばなりません。

『ママが　あと一言でいいから　よけいなことを言わなくなりますように』
ふう、会心の作。

だいたい書き上がったら、紐を通して飾り付けの準備です。私はちょっとお手洗いに立ちました。
帰ってくると、なんと、さっき私の書いた本命のお願い短冊が、くしゃくしゃに丸められています。

「もうー！誰ー？こんなことするのは！」
私が叫ぶと、子供たちがハモりました。
「ママに決まってるじゃない」

妻の方を見ると、今度は彼女は、その短冊をシュレッダーにかけようとしています。
「何するんだよぉ」
すると彼女は、ムキーと怒って言いました。
「こんなの、他人様の目に付くところに出せるわけがないじゃない！」
「ええー、別に良いじゃん」
「良くないっ！」

それを尻目に、マブが最後の１枚を書きました。
『けんかを　しない　毎日』

お姉ちゃんが言いました。
「短冊書くのって、こんなに面白いとは思わなかったよ」
家族による小コントが面白いだけのような気がしますが。

夏も本番、まだまだ暑くなりそうです。

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