Doc

2006/03/25/

「卒業」

先日、うちのお姉ちゃんの小学校の卒業式がありました。
お姉ちゃんは新品の制服を着て、壇の上で校歌を歌っています。
マブも去年までは、こういった式だというと、くにゃらんくにゃらんとしていたものですが、みんなと一緒に「卒業生への呼びかけ」を喋っています。
時の経つのは本当に早いものです。
お姉ちゃんなんか、ついこの間、友枝小学校の制服を着て、保育園の卒園式をしていたような気がするのですが。

彼女も（私も）あのころと何にも変わっていない（成長していない）ように思います。
でも多分それは、いつまでもこのまま（とんちんかんな親子）でいたいという気持ちの裏返しに過ぎないのでしょう。

さて、式は厳粛に終了し、帰ってきた娘は、私に言いました。
「おとうさん、あたしは小学校を卒業しても、」
「何だよ」
「おとうさんの娘だからね」
嫁に行くわけでもないのに、何言ってるんだ、この子は。
そう思いながらも私は何故か、ほんのちょっぴり涙が出ました。

すると、今度はマブが、何だか深刻そうな顔をして言いました。
「とんたん、マブねぇ」
「はいはい」
「もう、お姉ちゃんが小学校に来ないような気がするんだよ」

今日の式、いったい何だと思ってたんだ、この子は。
別の意味で、ちょっぴり涙が出ました。

さて、お姉ちゃんも中学校の準備をしなければなりません。
彼女は妻に言われて、（渋々と）部屋の整頓を始めました。
ベッドの下を片付けて、片っ端からゴミを捨てて、古い本をまとめて。
私もホームセンターで、９８０円の本棚をいくつか買ってきて、娘のために組み立ててやりました。
本の整理が終わった彼女は、作ってやった本棚のスペースに、自分のコレクションを飾っています。
私は、ドライバーの回しすぎで指が痛くなり、大の字になって寝ていました。
遠くで「片付け、終わったよー」と、娘の声がします。
どれどれ、棚の見栄えはどうかな。
私は彼女の部屋を見に行きました。
すると・・・。

あれ？
何だか予想していた「女の子の部屋」とは違う飾り付けになっています。

訝しんだ私は、お姉ちゃんに尋ねました。
「結局、棚はマブに貸したの？」

すると彼女は、憤慨して叫びました。
「違うよ！全部あたしのだよ！」

ガンダムコレクションのザクウォーリアにパラスアテネ、ガイアガンダム、ボリノーク・サマーン、
廉価版ＭＳのボール、ニルバーシュTYPEゼロ、そしてクルル曹長。

・・・。
私は、世間一般の女の子のことを知らないので何ですが、
もうすぐ中学生になる女の子の棚というのは、みんなこういうものなんですかね？

おまけに、せっかく綺麗に作ってやった棚なのに、ちまちましたコレクションばかりで、空間が異常に余っています。
私は妻を呼んで尋ねました。
「ここ、別の棚でも作ろうか？」
「あたしもそう思ったのよ」

すると、後ろから娘が飛んできて言いました。

「ダメ！そこには、
（１／６０のバカでかい）ストライクフリーダムを置かなきゃいけないんだから！」

まぁ、何だ、
確かにいくら小学校を卒業しても、キミは私の娘だな。
よかったよかった（・・・）。

このページの最初へ

2006/03/15/

「鉄人設計図」

ある日、うちのページ宛てにメールをもらいました。
そこには、
「ダイヤブロックの　鉄人の　作り方を　おしえて下さい」
と書かれていました。

普段なら「設計図作るのは大変なので、どうか勘弁して下さい」とお詫びをするところですが、
今回はメールをくれた相手が小学３年生。
しかも彼のメールには
「ぼくは　鉄人が　だいすきです」と書いてありました。
鉄人好きの、しかも小学生の同志のためなら、そりゃちょっとは頑張らないわけにはいきませんね。

設計図を描く根性はさすがにありませんが、何とか分解写真は撮りました。
いずれも、赤い円の中をクリックすると、説明用の大きな写真が現れます。

こんな程度で説明になるのかどうか分かりませんが、それでも無いよりマシでしょうか。
もともと、ブロックの作例に正解などありませんし、自分で楽しみながら作るのが一番です。
がんばってねＨくん。

でも、念のため言っておきますが、今度誰かが
「ぼくは　アトランジャーや　ザブングルや　グロイザーがだいすきです」
なんて書いてきても、もうやらないッスよ。(^^;)
おじちゃん、これでも忙しいんだよ（笑）。

このページの最初へ

2006/03/11/

「愛のベルト」

先日、うちに弟が遊びに来て、こんな話をしていきました。
彼の持っているベルトの長さが足りなくて困っていたら、彼の奥さんがさらっと直してくれて、
無事ベルトを腰に巻けるようになったそうです。
夫婦なら、普通によくある話です。
もっとも、そのベルトが、
仮面ライダーカブトの変身ベルト・カブトゼクターでなければ
の話ですが。

この変身ベルトは（さすがにお子様用ですので）、ウェスト回りは６８cmまでしか対応していません。
弟が腰に巻くのは全く不可能で、仕方なく彼はベルトを腰に当て、中心部を手に押さえて「変身！」していたそうです。
その姿を、あまりにも~~不甲斐なく~~不憫に思った奥さんが、お手製の延長パーツをマジックテープで作成してくれたと、こういうわけです。
弟は非常に感動して、上機嫌で「変身！」を繰り返していたそうです。
しみじみと良い話ですなぁ。

さて、この変身ベルトは我が家にもあります。
私ももちろん、そのままでは腰に巻くことができませんでした。
本来なら弟のように、うちの妻に延長パーツの作成をお願いすれば良いところですが、
・・・彼女に、このベルトの存在を知られるわけにはいかんッ！

え？何故かって？
~~先月いっぱい買いすぎた~~それぞれの家庭にはそれぞれ事情があるんです。
そこで私は、前から目を付けていた、家に転がっていたあるものを使うことにしました。

それは、スキーを運搬するときに使うホルダーです。
スキーとストックをそれぞれマジックテープでまとめることができ、さらにワンタッチで着脱ができます。
運動用品店では、２本入りで６００円～１０００円くらいで販売されており、お値段も手頃。
これを使えばカブトゼクター自体には全く手を加えることなく、ベルトの延長ができます。

このように、マジックテープを、カブトゼクターのベルトの穴部分に通し、長さを調整すれば良いだけです。
右側のベルト（ジョイントが凹）はそのまま入るので、問題ありません。
左側のみ、ジョイントの凸部分の穴が細いので、片方のマジックテープだけを細く切る必要がありましたが、それだけで完成です。
ワンタッチジョイントは、背中のバックル（？）部分に隠せるので、見栄えもまあまぁです。

さっそく装着し、「変身！」を繰り返します。
やはりきちんと腰に巻けると、天道くんの気分にバッチリ浸れますね。
私も弟と同様、しばらく上機嫌でした。
うちの妻に、こう尋ねられるまでは。

「ねぇ、そろそろスキーしまおうと思うんだけど、
　ストックとか纏めるホルダー１個、どこ行ったか知らない？」

私の脳裏を、一つの言葉が通り過ぎました。
「おばあちゃんが言ってた。
　『どうせ謝らなきゃいけないんだったら、早く謝った方が良いよ』って」

もっとも、言葉は確かに通り過ぎたのですが、私はそれをすぐさま実行するだけの勇気はありませんでした。

そして・・・、まぁ結論から言いますと、
おばあちゃんの言ってたとおりでした(^^;)。

このページの最初へ

2006/03/04/

「モーツァルト」

夕飯の時、家族でテレビを見ていると、こんな特集をやっていました。
「植物にクラシック音楽を聴かせると、美味しい野菜や果物ができる」
そして実際に、モーツァルトの交響曲を流して試している農園が映りました。
本当に効果があるのかどうかは知りませんが、そりゃギスギスしてる雰囲気よりは、のんびりまったりしてた方が気が楽に決まっています。
人間だって植物だって、ね。

すると何の前触れもなく、いきなりマブが歌い出しました。
「♪　まっ　まっ　まっ　まっ　まっ　まっ
　　　うるとらまん　まぁーっ」
（「ウルトラマンマックス」と歌っているつもりのようです。念のため）

妻が「どうしたの急に」と聞くと、彼は答えました。
「だってこの（今食べている）バナナ、あんまり味がしないんだもん。
　歌ってあげれば、おいしくなるんでしょ」
どのみち、今歌ってももう遅いと思うがな。
すると、お姉ちゃんが言いました。
「ダメだよマブ」
そうだそうだ、ちゃんと教えてやってくれ、と思ったとたんに、彼女は続けました。
「クラシックでなきゃ」
ボケるタイミングは天下一品です。

妻が尋ねました。
「あのさ、お姉ちゃん、クラシックってどんな歌だかわかる？」
娘は考え込みました。
「えーと、昔の曲だから・・・そうか、
ウルトラセブンの歌とかじゃなきゃダメってこと？」
コイツは、いつまでボケ倒す気なのか。
呆れて妻が言いました。
「さっき言ってたでしょう、モーツァルトを聞かせてるって」
「ああ」
そこで、 お姉ちゃん とマブは、図ったかのように合唱しました。
「じゃじゃじゃじゃーん」

植物はどうだか知りませんが、うちの連中には、何を聴かせても同じだと思います。

このページの最初へ